人材不足に悩まされている木材加工業界。なかでも木材の品質担保を担っていた職人が定年を迎えた後、なかなか採用が進まないことで困っている製材所・集成材工場も多いことでしょう。
そう簡単に人を採用できないこの時代、いっそのこと職人の目の代わりとなる「木材スキャナー」を導入することで解決するという手もあります。
木材スキャナーは、木材加工の過程で木質をデジタルチェックし、欠点情報を読み取るデジタル検査機。後工程のソーで不要な部分をカットしたり、木材の等級選別を簡単にしてくれたりと、作業効率を高めてくれます。スキャナー導入が、一体どのような課題解決につながるのでしょうか?ここではその価値について詳しく解説していきます。
【主な要因】
【主な要因】
デジタル化が進まず、3Kイメージが定着してしまっている木材加工業界。ベテラン職人が定年で次々と退職していく中、少子高齢化でなかなか若い人材を採用できず、深刻な人材不足に悩まされています。それにより、属人的なスキルがうまく継承できないことから製材の生産効率も伸び悩み、結果的に低生産性に悩まされることになります。
いち早い業界の「DX」が求められているものの、デジタル化を進めるにしても、何から始めていいか分からないのが実情ではないでしょうか?
木材スキャナーは、これまで人が行っていた業務を代替してくれる優れモノです。
「人材不足」と「低生産性」という2つの業界的課題を、どのように解決してくれるのでしょうか?
これまで木材品質の担保を「職人の目」に頼っていた検査を、木材スキャナーに一任することが可能に。職人の属人的な判断でどうしても発生しがちな品質のブレもなくなり、デジタル処理で判断基準も安定化。
この検査の過程のためだけに確保しておかないといけなかった、人員を新たに雇用する必要もなくなります。
休まずに安定稼働を実現できる木材スキャナーの導入で、処理できる木材検査の数自体が大きく増えることが見込まれます。単純な省人化によるコスト削減だけではなく、歩留まりを上げることによる増産にまでつなげられるのが最大のメリット。
収益性を大きく向上させながら、将来的には人の関与を最小限に抑えた無人工場も視野に入るでしょう。
海外製の多い木材スキャナーですが、実は数少ないながらも国内で製造しているメーカーもあります。
なかでもハイスペックなスキャニングを強みとする「T-Scanner(ティースキャナー)」を開発しているのが太平製作所です。スギやヒノキといった国産材に最適化されており、日本語操作が可能なコントロールパネルを用意するなど、こと日本国内で利用する際の強みが際立っています。
すでにこのスキャナーを導入している工場があるということで、モッキナビ編集チームがインタビューを敢行。どんな課題感があって導入を決意したのか、実際に導入してみてどんな効果があったのかなど、リアルな声を伺ってきました。

欠点除去の専任スタッフを14名⇒4名に削減
ーースキャナーを導入された経緯について教えてください。
人件費削減と増産が目的で導入しました。私たちの工場で、ラミナー材の欠点除去に携る作業者は総勢14名程。その全員が欠点についてしっかり理解していなければなりませんし、オペレーター教育や人材確保といった問題も出てきます。
人間ですから常に最適な判断ができるわけではなく、スキルや経験によって差が生まれるのも何とかしたいと考えていました。
ーー導入した結果、どのような成果があったでしょうか。
橋口:オペレーター1名と、排出された木材を受ける2~3名で運用できるようになり、人件費削減の面で大きな効果がありました。人材確保が難しいなかでこれは助かっています。
10名分の人材を代替してくれるとなると、5年6年と使っていくなかで十分償却できます。人の目で判断していた頃よりも品質にムラがなくなり、生産の安定化にも繋がっています。

安定生産で歩留まりを高め、8割の増産を実現
ーー生産性向上の面では何か影響はありましたか?
スキャナーは休まず判別し続けてくれるので、まず生産が安定しました。判定にムラもないので品質も維持できますし、結果的に歩留まりも良くなっています。私たちの工場では8割くらいの増産につながっていますね。
スキャナー自体がコンパクトなこともあって省スペースで稼働できますし、その分別の木工機械を置くこともできます。これも増産に繋がるメリットかもしれません。
ーースキャナーの扱いにはすぐ慣れるものでしょうか?
操作画面が日本語でわかりやすく、使いやすいのはもちろんですが、国産スキャナーで日本独自の木材の判別に特化しているので、より扱いやすいという面があります。
海外メーカーのスキャナーだと、操作画面自体がその国の言語になっていたりしますし、いざというときのアフターサポートも心配です。「T-Scanner」は入社したての新人でもすぐに扱えるような、かんたんな操作画面なので安心ですね。

欠点除去の人員を5分の1に削減し、生産効率もアップ
ーーT-Scannerを導入にあたり、そもそもどのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか?
弊社は集成材を扱う工場で、ラミナー材を選別するのにこれまで人の目に頼ってきました。
選別後の欠点除去(カット)も人の手で行っていましたが、人の関わる業務を減らして自動化したいというのと、人員削減の意味もあり、そのために導入する流れとなりました。
ーー実際に導入してみて、どのような成果があったのでしょうか?
人数で言うと、8人分くらいを削減できています。内訳としては、欠点除去の検査で約2名、カット作業で6名程。人の目と手で行っていたときは、検査とカット、それに関連するリフト操作なども含めると10名以上は関わっていました。その内、8人分の人件費を削減できるようになったのは大きいと感じています。
休憩がいらないスキャナーは常に稼働している状態で、増産にもつながっていますね。

日本語対応のかんたん設定画面で、新人でもすぐに扱える
ーー操作感についてはいかがでしょうか?
日本語表記でわかりやすく、設定もかんたんで使いやすいと感じています。基本的にはスキャナーが自動で欠点を判断してくれるんですが、調整が必要になった際も欠点の幅や長さの数値を入力していくだけで、だいたい思い通りに判別してくれるので助かっています。わかりやすいのに繊細な処理もできるんだなと驚きました。
ーー習熟するのにどれくらいかかったでしょうか?
新人でも入社したその日に使えるようになります。本当に操作がかんたんで、誰が操作しても同じ精度で仕上がるので安心です。人が目で見て判断するには、やはり習熟するまでに数カ月かかることもザラでした。木材の品質を誰でも見極められるようになったことで、教える側の負担も減り、生産が安定してきたと感じていますね。
木材スキャナーは利用シーンを選びません。原木を扱う生産業者から卸売業者までの間に位置する、いわゆる中間処理の木材加工現場なら、製材や集成材などに関わらずさまざまなシチュエーションにも対応可能です。
ここでは代表的な処理業者である「製材工場」と「集成材工場」での利用ニーズと、木材スキャナーによって実際に何ができるかを解説します。
製材品等級判定に特化したソフトウェアにより、JAS規格に基づく判定が可能。等級ごとに製材を振り分けることができます。 機械によるデジタル処理で判断を均一化し、安定した判定結果により製品の規格化を進められます。
木材の欠点検出機能により、適切な位置でのカットリストを作成します。後工程のクロスカットソーが、そのカットリストをもとに節や虫食い・割れなどの欠点を切断。選別・ランク分けの工程後にフィンガージョイントへ受け渡し、求める品質の集成材を作成できます。

「T-Scanner」は、ラミナー材の欠点検知を目的に開発された木材スキャナーです。4台のカメラが材面を細部までチェックし、デジタルデータとして収集。自動分析で把握した欠点箇所を、接続したカットソーで切断します。
これまで人の目と手に頼っていた工程を自動化できるだけでなく、常に高品質な木材を休むことなく生産可能。業界が抱える人材不足と低生産性問題を一気に解決できる、デジタル化実現を見据えた画期的な木工機械です。
どんなに役に立つ機械でも、使いづらい設定画面だと誰も使わなくなってしまうもの。アメリカやドイツなど海外製が占めるスキャナーですが、国産の「T-Scanner」は日本語表記なので、誰でも安心して操作が可能です。
日本でよく使われる木材といえばヒノキやスギですが、実はこれらは国内の固有種であることも。その国特有の木材に特化している海外製スキャナーと違い、「T-Scanner」は国内の木材に最適化されているのが特長です。
国内製であるメリットとして、いざというときの修理やアフターサービスに安心できるという点もあります。機械のトラブルは機会損失に直結します。迅速に修繕してもらえるかどうかは、安定した生産量を保つための最後の砦です。
木材スキャナー市場はまだまだ発展途上。先行して開発・導入の進む海外に目を向けても、取り扱っている会社自体が多くありません。その中でも有名なのが「Goldeneye」と「ウッドアイ」です。ここではその代表的な2種について簡単に特長をご紹介します。
フルHD高解像度カメラとレーザーを使った欠点判別が特長の「Goldeneye」。オプションでX線を付与することも可能で、密度を計測することにより木材内部の節や腐れも見逃さないという強みがあります。
ウッドアイは木材の表面の欠点を認識するために、レーザーと画像処理の技術を組み合わせているのが特長。欠点や不均一性を高精度で検出し、これにより木材の品質向上に寄与します。
「木材の欠点情報を読み取る」機能自体は、海外製スキャナーも同様です。しかし、こと国産材の判別に関して言えば「T-Scanner」に軍配があがります。日本ではごく一般的なスギやヒノキといった樹木は、実は国産材の一種。海外製スキャナーはそれぞれの産出国でメジャーな木材の判別に強いものの、日本の国産材には適していません。
さらに各種設定を行うコントロールパネルも、海外製スキャナーはその国の言語で構成されていることがほとんど。日本製の「T-Scanner」はもちろん完全日本語対応なので、誰にでもすぐ使える仕様なのが強みです。国産材を扱う日本の木材工場で使用するなら、「T-Scanner」一択と言えるでしょう。

太平製作所は、木材を加工する木工加工機領域において高いシェアを誇るメーカー。加工した木材は主に住宅をはじめとした建築物に使用され、特に接合機械のフィンガージョインターを主力商材としてそのシェアを広げています。
昨今ではデジタル化の遅れている業界のDXに寄与する機器として、木材スキャナー「T-Scanner」を積極的に展開しています。少子高齢化による人材不足が深刻な問題となっている中、限られた人数でも高い品質を保ったまま増産を目指せる、画期的なシステムとして俄かに注目を集めています。
スギやヒノキといった国産材の欠点情報読み取りに特化し、日本語対応コントロールパネルで操作も安心。業界のデジタル化に取り組むなら、最初の一手として導入したいおすすめのマシンです。
| 会社名 | 株式会社太平製作所 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府大阪市住之江区緑木2丁目3番33号 |
| 創業 | 1925年 |
| 電話番号 | 06-6685-9551 |
| 公式サイト | http://www.taihei-ss-osaka.jp/ |